哲学者キルケゴール・・・
2020.05.01
新緑の5月!となるところなのに、新型
の5月になってしまいました。
新型コロナウィルス緊急事態宣言延長の
可能性の中、罹患されました方にお見舞い
申し上げ、亡くなられた方々のご冥福をお
祈り申し上げます。
また感染リスクを抱えながらも不眠不休
で医療現場に従事されておられる皆様に敬
服とともに心よりご慰労申し上げます。
TV番組「世界一受けたい授業」や関西の
「ちちんぷいぷい」などに出演されていた
教育学者の斉藤孝さんが雑誌の連載の中で、
哲学者キルケゴールの話を掲載されていま
した・・
かんなり長くなってしまいますが、まん
ま引用させていただきますm(__)m
「コロナの絶望を希望に変えるヒント」
【絶望自体は悪くない】
新型コロナウィルスの流行で、人々の仕
事や私生活にも影響が広がっています。ビ
ジネスや商売が打撃を受け「この先どうな
るのか」と絶望的な気持ちになった人もい
るでしょう。
こんなときだからこそ、今回は「絶望と
の正しい向き合い方」について考えてみた
いと思います。参考テキストは、キルケゴ
ールの『死に至る病』です。
キルケゴールは19世紀の哲学者であり、
実存主義の創始者とされ、本書は彼の代表
作の一つですが、タイトルは聞いたことが
あっても、それが何を意味するかは知らな
い人が多いかも知れません。
彼は「死に至る病とは絶望のことである」
と記しています。そう聞くと後ろ向きで暗
い内容かと思うでしょう。しかし、読み進
めていけば、彼の言う「絶望」が一般に使
われる言葉のイメージとはかなり異なると
わかります。
本書の冒頭で、キルケゴールは「自己と
は自己自身に関係するところの関係である」
と述べています。ややわかりにくい表現で
すが、皆さんも無意識に自分に何かを問い
かけたり、語りかけたりすることがあるで
しょう。このように自分が自分に対して関
係しつつ、自己自身であろうとするところ
が人間の複雑さです。
それでも自己自身になれず「これは本当
の自分ではない」と感じることがあります。
そのとき、人は絶望する。絶望とは「自分
が自分であろうとする人がかかる病のよう
なもの」というわけです。
ただし、キルケゴールは、絶望をただの
不幸や悲惨なこととは考えません。それど
ころか、絶望することを「無限の優越」で
あると表現しています。人間が優れた生き
物だから絶望を感じるのであって、それ自
体は決して悪くないということです。
さらには、絶望が前向きな気持ちに転じ
る可能性まで示唆しています。
絶望している人は、「何か」に絶望して
いるように見えるが、本当は「自己自身」
に絶望している。するとその人は「自己自
身から抜け出そうと欲するのである」と述
べています。つまり、今の自分ではない「
本当の自分」になろうとするのです。
これはかなりポジティブな思考ではない
でしょうか。少なくとも、絶望したからと
いって死ぬわけにはいかない。死んでしま
ったら、自己自身から抜け出すことはでき
ないからです。
【辛くてももがけば現れる光がある】
キルケゴールが言う「何か」とは、自分
の外側にある状況を指します。試験に落ち
たり、仕事でミスをしたりしたときに、す
ぐ「絶望した」という人がいますが、それ
は目の前の状況が嫌になっているだけで、
本物の絶望ではないということ。彼もこう
断じています。
「何かについて絶望することはまだ決して
本来的な絶望ではない」
自分の外側にあることがうまくいかなか
ったら、それは単なる不運であり、自分の
努力や準備が足りなかったために引き起こ
された結果にすぎません。勉強が足りなけ
れば試験に落ちるし、確認が足りなければ
仕事でミスをするのは当然です。
不合格や失敗といった状況を嘆いている
うちは、本物の絶望ではない。本物の絶望
とは自己自身に対するものであるから、こ
の場合は勉強や努力が足りなかった自分に
対して絶望せよ。それが彼からのメッセー
ジです。
しかも中途半端な自己嫌悪などではなく
、徹底的に己に絶望すべきであるというの
が本書の非常に面白いところです。本当は
自分が悪いとは思ってないのに「あ~あ、
自分が嫌になっちゃう」などと愚痴をこぼ
す程度では、本物の絶望ではないというこ
とです。
自分自身に絶望するのは、きっと辛いで
しょう。
しかし、みずからを否定し、自分に絶望
して、それでも死ねずにもがいているとき
にだけ、ふと現れる光がある。それは自分
が生かされているような感覚に近いかもし
れません。その光が見えたとき、今の自分
から抜け出す道も拓けていくのです(中略)
そもそもキルケゴールが源流となった実
存主義は、「自分が運命を選びとることが
自己の証である」という哲学であり、自分
の意思で物事を選択することによって、人
間は運命を切り拓けるというポジティブな
考え方をベースとしています。
今は大変なときですが、絶望から見えて
くるものもあります。私たちもぜひ、それ
を前向きな力に変えていきましょう。以上
ちょっと難しいけど(';') とにかく大変な
時にこそポジティブに前向きにっていうこ
とですね^^; 前向きにといっても不要不
急の外出は厳禁です('_')今は有事ですから。
好きなキルケゴールの名言(^.^)
「何をおいても歩みを進める気持ちを失
ってはいけない。私は毎日歩みを進め、心
地よくあろうとし、憂いから離れようとし
ている。私は善き考え方を持つために歩み
を進めており、避けられない重荷について
考えるのは負担になるとわかっている。た
だ座っていれば憂いの気持ちはやってくる
ものだ。歩みを進める限りはすべて問題な
い」
闇が深ければ深いほど暁は近い!!!
今こそ負けない心で、世界が日本がワンチ
ームで進んでいきたいものですね(^^)